地域通貨「フジ」Q&A
- Q フジの一番の特徴は?
- A 3つの目的、つまり@地域経済の活性化(図Aの部分)、A地域におけるふれあい、助け合いや社会貢献の活発化(図C,D,Fの部分)、B循環保全のためのリサイクル活動の展開(図Eの部分)を同時に達成しようというところにあります。単独に始めるよりも一緒にやったほうが、住民の連帯感がより高まり、それぞれがうまくいく可能性が高まると考えます。
- Q 架空の町「フジ町」というのはどの程度の地域が考えられますか?
- A 人口は10万人程度以下で、社会的にも経済的にも一体感のある市町村、その一区域または広域連合を念頭に置いています。
- Q 地域経済活性化の機能は、町の生産品やサービスを町の住民が1割安く買えることで生まれるのですね。
- A それだけではありません。フジは町に住む人のために助け合い活動やボランティア活動をしたり、リサイクル活動をしたりしても得られるわけで、それを現金化することはできませんから、手元のフジで新たに町の生産品かサービスを買う事になります。このように、町のためになる活動が循環するうちに、自然に住民同士の親近感、連帯感が生まれ、さらに諸活動が活発化されると期待されます。
- Q 相互扶助の機能は町民全員が参加するのですか?
- A 数が多すぎると顔が遠くなりますから、200名程度までを目途にグループをつくってみてはどうでしょう。青フジによる助け合いはタイムダラー、レッツ、時間通貨などの地域通貨をモデルに、住民の相談で方式を選べばよいと思います。赤フジの助け合いは、ふれあい切符(時間預託)にもいくつかのモデルがありますから、やはり相談で方式を選べば良いでしょう。青フジを赤フジに使うのは無理でしょうが、赤フジを青フジとして使うのはよいと思います。それを可能とすることで、青フジ(ヨコ型・・・日常の気軽な助け合い)と赤フジ(タテ型・・・将来の助け合い)のドッキングが成立します。
- Q どうして青フジによる助け合いと赤フジによる援助を別建てにするのですか?
- A 青フジによる助け合いはどんどん行なわれるほうが好ましいですから、たとえば1年で青フジ券を無効にするなど、循環促進策をとるのがよいと思います。それに対し、赤フジによる援助は、援助者が将来援助を必要とする時にこれを使うことを想定していますから、無効にするわけにはいきません。しかし、貯まった赤フジ券の一部で、青フジによる助け合いをすることは、赤フジによる援助を活性化するためにも好ましいことですから、これを青フジ券に交換することは認めたらよいと思います。
- Q 図のスタイペンドとは、何ですか?
- A アメリカでボランティア活動に対して支払われる謝礼金のことをスタイペンド(stipend)と呼んでいます。これを行政が支払うときは、労働に対する賃金と区別するため、最低賃金以下にしています。助け合いや援助活動に個人が青フジあるいは赤フジを渡すのもスタイペンドですが、図Fは、行政が、町の清掃、公立施設でのボランティア活動、その他の住民による公益活動に対し、これに謝意を表してその諸活動を刺激するため、青フジ券を渡すことを想定しています。
- Q NPO法人FUJIの運営費は、図Fの助成金の一部、リサイクル品の売り上げの一部、赤フジ交換差益などで捻出するのですか?
- A その他、行政の助成金や住民の寄付金なども必要でしょう。図では、運営に当たる組織をNPO法人にしていますが、NPO法人にする必然性はありません。その他、名称、交換手段(紙券、チップ、通帳、証書、電子記入など)、単位などは自分たちで工夫して、地域の実情に合うものを選んでみてください。