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地域通貨は、感謝の「心」をカタチにする手段

 「地域通貨」とは、互いに助けられ支え合うサービスや行為を、時間や点数、地域やグループ独自の紙券などに置き換え、これを「通貨」としてサービスやモノと交換して循環させるシステムのことをいいます。「国民通貨」である「円」などとは違った「もうひとつのお金」ともいうべき働きをするものです。(地域通貨と国の通貨の比較表を参照)
 長年住み慣れた自分の町や暮らしを少しでも自分たちの手で守りたい。自分らしい生き方をしながら生き甲斐を持って暮らしたい。そんな想いや優しさ、「ありがとうの心」をカタチで表現し、仕組みを作る手段とする地域通貨の取り組みは、最近各地で始められています。
 私たちは普段、サービスやモノを得る場合には国の通貨(円)を使って購入しますが、その際、サービスやモノに対して支払う額は、市場経済での価値が基準となります。それに対して、地域のグループなどがそれぞれに名前や表現の方法を決めて独自に発行し、サービスやモノの価値を自由に決めて交換していくのが「地域通貨」です。地域通貨は、市場では価値が決められない様々なボランティア活動や眠っている能力や才能を引き出し、地域で活かすことができる仕組みの一つです。ですから、地域通貨という表現はしていますが、私達みんながもっている感謝の「心」をカタチにする表現手段といえます。